【可愛いぱちんこ】第2回:可愛い「屋根付き物件」

 現在のパチンコホールですっかり見かけなくなってしまった設備の一つに「玉貸し機」があります。パチンコで遊ぶ際、最初にしなければならないのは「玉を借りる」ことなのですが、今は台の横にある機械にお金を入れてボタンを押せば、上皿から玉が出てくるのでそのまま遊ぶことができます。

 しかし、20年ほど前までは上の写真のように高額紙幣両替機やプリペイドカード購入機などが置いてあるのが当り前。お客さんはまずこういった機械で千円札や500円玉にしたりカードを買ったりしてから、台に座って玉を借りて遊ぶ……というプロセスを経ていたものでした。

 さらに時代をさかのぼり、台の間に玉貸し機があまりない頃には

 このような機械で玉を借りてから、台に流して打つという順序になっていました。さらにさらに、こういう機械が出てくる前には人がカウンターなどで玉貸しをしていたのですが、それについてはまた改めて……。

 で、今回見つけた可愛いモノは、玉貸し機が普通に設置されていた1970年代のホールにありました。

 上の写真は1971年、金沢のホールにて。島の端に設置された右側玉貸し機の上部に、なぜか「屋根」のようなひさしがくっついています。模様も水玉なのが、妙に可愛い。

 こうしたデザインは当時流行っていたのかもしれません。同年名古屋市にオープンしたホールにも、こんな可愛い“屋根付き物件”がありました。

 う、うわぁぁ〜〜〜、か、可愛いぃーーーーっ!!

 通路の中央部分に3台の玉貸し機が放射状に設置され、上方には湾曲したストライプの屋根がくっついているではありませんか。各玉貸し機の上部に小さな玉箱が沢山積まれているのも、ユーモラスな光景です。実に、リアルタイムで見たかった! 玉をここで借りたかった! と、ちょっと興奮してしまいます(笑)。

 さらに翌年、都内にもこんな屋根付き物件があったようです。

 こちらは1972年、大田区にオープンしたホール。島の端に設置された玉貸し機にも、屋根がついていました。

 こうした装飾の意図は正確には分かりませんが、玉貸し機を小さな店舗のような感覚で屋根付きにしていたのかもしれません。ホールの中の、小さなお店。パチンコホールはきっと今より殺伐としていた時代であったと思いますが、こうした可愛いコーナーを見つけると、しばし癒されるような感覚になりますね。

※写真協力…(株)遊技ジャーナル

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