玉やメダルに触れずプレイできる「スマート遊技機」の詳細が明らかに

 7月19日、東京ドームホテルにて「スマート遊技機フォーラム」が開催され、玉やメダルに触れずに遊技できる「スマートパチンコ(以下、スマパチ)」「スマートパチスロ(以下、スマスロ)」の詳細や今後の見通しなどが発表された。

 スマート遊技機は玉やメダルの数値を表示する装置を備えており、それらに触れることなく内部循環によって遊ぶことができる遊技機で、スマパチでは「専用ユニット」、スマスロでは「HC-BOX」を新たに搭載する。また、「遊技情報センター」にて出玉情報等が収集・管理されることで、不正防止や依存問題対策に役立てられるとしている。

 フォーラムでは日工組(パチンコメーカーの組合)・榎本理事長と日電協(パチスロメーカーの組合)・兼次理事長挨拶に続き、盧日工組副理事長および大泉日電協副理事長によるプレゼンテーションにて、スマート遊技機の詳しい内容が発表された。具体的な内容は以下の通り。

●スマートパチンコ(2023年春登場予定)

  1. 大当りの下限確率を、現在の約320分の1から350分の1とする
  2. C時短(通常時の外れ図柄から突入する時短)を搭載し、ゲーム性に幅を持たせる
  3. MY(一番大きな出玉の差による数値)が95000発に到達した時点で、その日の遊技ができなくなる「コンプリート機能」を搭載する

(写真)スマパチの「コンプリート機能」イメージ

●スマートパチスロ(2022年秋登場予定)

  1. 有利区間の上限枚数2400枚を、現行のMY(一番大きな出玉の差による数値)から差枚数に変更する(※6.5号機のメダルタイプ・スマスロ共通)
  2. 有利区間ゲーム数について、現行の1500〜3000ゲームを廃止する(6.5号機メダルタイプは4000ゲームへ変更)
  3. MY19000枚に到達した時点で、その日の遊技ができなくなる「コンプリート機能」を搭載する

(写真)スマスロの「コンプリート機能」イメージ

 次に、スマスロ普及推進プロジェクトリーダーの日電協・里見理事よりスマート遊技機導入による業界のメリットおよび未来図について発表があった。

●主な業界のメリット

  1. スマスロではメダルタイプを越えるスペックが可能となり、かつメダル投入不要でスピーディーな遊技性の向上が見込める
  2. 出玉情報一元集約化により、依存対策に寄与できる
  3. 封入式のため持ち込み玉など不正からホールを守る
  4. 玉やメダルに触れないため感染症対策にもなる
  5. 玉が内部で循環するため払い出し音などが消滅し、それに伴って効果音の低減などにもつながって従業員の労働環境がアップする
  6. 大掛かりな島工事や玉循環が不要になるため、増減台が簡単にでき、また新規出店コストも大幅に削減できることで、ホール軒数減少に歯止めをかけられる可能性がある

 また業界の未来図としては、短期的にはコスト削減や自由なレイアウトが可能となることから「コンビニ規模」「空中店舗」などホール形態が多様化し、中長期的には「キャッシュレス対応」「運用の電子化」そして次世代的には「オンラインアップデート」「Bluetoothイヤホン搭載」など現在規則上不可能な機能搭載も視野に置いているとのこと。

 この後メーカー・ホール代表者によるパネルディスカッションなどが開催された後、記者会見にて質疑応答およびフォトセッションが行われた。