【球面体ノート】はじめまして

 はじめまして。

 パチンコ・パチスロの文化的側面をお伝えすることを大きな目的とした、全く新しいサイト「ぱちんこかるちゃー倶楽部」と申します(※当面、プレオープン中です)。

 かつて、パチンコは「娯楽の王様」と言われてきました。多くのパチンコホールは駅前や商店街にキラキラしたネオンの看板を掲げて建っており、会社帰りのサラリーマンをはじめちょっと遊びたい主婦やご老人、大学生など人々の生活の中に当り前のように溶け込んでいたものです。

 ‘90年代に入り、中頃まではゴールデンタイムのTV特番や一般向けの週刊誌でも「景品が豊富なホール」や「新規オープンに密着」など、よくパチンコ関連の情報が取り上げられていました。そうした情報により、人々は身近なレジャーとしての魅力を改めて知ることができたと思うのですが、ギャンブル性の高まりに伴う「パチンコバッシング」が始まった’97年あたりから情報伝達が減っていき、もやもやとした「悪」のイメージが生まれるきっかけにもなってしまったように思います。

 そんな「くすぶり」は、東日本大震災による原発事故後の「パチンコホールは電力を使いすぎだから休業せよ」とか、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言発令時の「パチンコは感染源になるし依存症を量産するから休業せよ」といった、何かちょっとした呼び水によってすぐさま一方的で爆発的なバッシングへと姿を変える恐ろしさもはらんでいます。

 私自身、そうした流れをずっと見て来て「’90年代にTVや雑誌で特集されて来た時のような、広い層にパチンコの文化的魅力や面白さを知ってもらえる場ができたらいいのに…」と思っておりました。パチンコに対する誤解や悪いイメージは、インフォメーションの少なさゆえに生まれてしまうものではないかと考えたからです。

 同時に、既存のパチンコ専門雑誌やサイトにはまだまだ少ない「パチンコの歴史」や「文化的な流れ」に関する情報も、どこかで補っていかなければならないだろうとも考えていました。専門的な商業雑誌が誕生した’80年代以前のパチンコはどうだったのか? など、歴史を様々な角度からかいま見ることにより、懐古だけではなく未来へのヒントも見いだしていける可能性があるのではないでしょうか。

 このたび「ぱちんこかるちゃー倶楽部」の編集長に就任させて頂き、インターネットを通じてそうした普遍性の高い情報を、パチンコに興味を持っている方だけでなく、休眠層や未体験者など様々な方面にお届けしていきたいと思っております。

 パチンコサイトとしてはかなりの後発となりますが、独自カラーで多くの方に親しんで頂けるようスタッフ一同頑張っていきますので、何とぞよろしくお願い致します。

 また、まだ駆け出しのサイトでもありますので、ぜひご意見やアドバイス等ございましたら「お問い合わせ」よりお送りください。そちらもお待ちしております。

「ぱちんこかるちゃー倶楽部」編集長 神保 美佳

●○神保 美佳プロフィール
遊技文化史研究家、ライター、コラムニスト。神奈川県出身、法政大学卒。OLだった1989年、創刊したばかりの「パチンコ必勝ガイド」へ投稿したエッセイが、当時編集長だった末井昭氏の目に留まり誌面デビュー。その後3年間の遊技業界誌記者を経て、1993年よりフリーのライターとして活動開始。勝ち負けよりもマニアックな目線でパチンコ台やメーカーそして業界の動向を追いかけ、数千を超える機種カタログや販促品のコレクションも所有。主な著書「パチンコ必勝大図鑑777(白夜書房)」「パチンコ年代記(バジリコ)」ほか。