【球面体ノート46】レトロで素敵な島飾り<お祭り編>

 時は1967年。全国にパチンコホールが1万軒弱あり、そのうち約65.6%が設置台数150台未満(数字は警察庁発表)だった頃のお話です。

 上の写真は秋田県秋田市にあった「あたりや」というホール。ちなみにパチンコでは「あたりや」という屋号がけっこうありましたが、看板上部の絵にあるように「当り矢」という縁起をかつぐ言葉から付けられたものであったようです。

 こちらのホールは、当時の名簿によれば設置台数が235台あり、まだ割合が少なかった中型店舗でありました。

 周辺には5軒ほどホールがあったものの、台数が一番多い繁盛店であったようです。

 今回このホールをなぜピックアップしたのかというと、秘密は店内写真にありました。

 当時はパチンコの玉還元が自動化され裏に人がいる時代ではないので、島(台が並ぶ表裏一塊のこと)の幅もかなり薄くなっています。

 そしてその端に付けられた、店名などが入った「島飾り」と呼ばれる部分。お店によって、かなり多くのパターンが存在します。

 このお店は右が「あたりや」という屋号、左には秋田県を代表する祭り「竿燈(かんとう)」の絵が描かれていました。

 このように、その土地をイメージした島飾りは資料を見る限り地方のホールに多かったようで、なかなか風流で素敵です。

 もしかしたら、勝負に殺気立ったお客さんが全く気づかない可能性もありますが(笑)、これは現代のホール作りなどに応用しても十分いいんじゃないかな、と思いました。