2025年のパチンコ・パチスロ参加人口は720万人で前年比30万人増加 市場規模は16兆2,000億円で前年横這い〜レジャー白書2026〜

 公益財団法人日本生産性本部余暇創研は2026年10月27日、東京・田町にあるビジョンセンター赤坂で「レジャー白書2026」の概要を発表した。当日は、余暇総研の長田主任研究員と桜美林大学ビジネスマネジメント学の下島康史教授、同川﨑友加准教授が説明を行った。

 同書は2025年における余暇市場のさまざまな統計データをまとめたもので、娯楽部門に属するパチンコは参加人口が前年比30万人増加して720万人となり、市場規模(貸玉料・貸メダル料)は前年から横這いの1兆2,000億円だった。

 パチンコ参加人口は、2011年に410万人の大幅減で1,260万人となり、2012年にはさらに150万人減少して1,110万人に。2013年には970万人へ落ち込み、ついに1,000万人を割ってしまった。2014年には1,150万人に回復し2015年は1,070万人に減少したものの、1,000万人以上をキープしていた。しかし、2016年には前年より130万人少ない940万人となり、2017年にはさらに減少して900万人に。2018年には50万人増加して950万人と多少回復したが、2019年は60万人減少して890万人、2020年はさらに180万人減少して710万人となった。

 参加率は前年比0.3%増加して7.4%となり、1年間におけるパチンコの平均活動回数は前年から5.5回減少して25.5回となった一方、年間平均費用は9万3,000円と前年より3,100円増加した。1回当たりの平均費用も3,650円で750円増加した。パチンコを今後やってみたい、継続したいという人の比率を表す参加希望率は5.0%で、前年より0.4%減少した。

 2025年の市場規模は前年同様16兆2,000億円。2012年に増加に転じた以降は2013年以降7年連続して下落が続いていたが、2020年から2022年まで横這いとなり、2023年に増加に転じ、2024年も増加、2025年は横這いとなった。

 2025年は、2023・2024年同様に様々な業種でそれまでのコロナ禍による急激な落ち込みから大きく回復に向い、市場規模こそ横這いだったものの参加人口、参加率が増加した。一方、前年より減少したのは年間平均活動回数と参加希望率。年間平均費用、1回当たり平均費用の増加は高射幸性機種に頼った営業と見る向きもありそうだ。ホール数の減少は依然続いている厳しい現状には変わりないが、新しいスマート遊技機、特にスマスロの人気が高まっている現状でもある。白書では、パチンコ・パチスロ産業の動向を以下のように分析している。

▽スマスロ頼みの収益構造と再編進行 パチンコ・パチスロ業界再生戦略
 パチンコ・パチスロの市場規模は前年と同水準であった。スマートパチスロ(スマスロ)の高稼働により、業界全体が回復基調に入ったとみるのは早計である。ライト層、若年層の参加低迷、娯楽の多様化といった構造要因は依然として重く、ユーザーのすそ野が広がっているというより、コアユーザーへの依存度を強めながら持ちこたえているのが実情である。長期的には縮小傾向にある市場の中で、パチスロが全体をけん引し、パチンコが苦戦する構図がより鮮明になった。

 2025年最大のトピックは、やはりスマスロ優勢の定着である。出玉性能や人気コンテンツによる演出面で支持を集める機種がホール収益の柱となる構図は変わらず、パチンコを減らしてパチスロを増設する店舗も目立った。一方、スマートパチンコ(スマパチ)はユーザー定着の遅れもあり、普及は想定ほど進んでいない。ラッキートリガー(LT)3.0プラス搭載機も期待されたほどの成果は残せず、高継続・高出玉の期待感で集客を見込む方向性には限界も垣間見えた。こうした状況の中、スマスロが売上・稼働を支えるという構図は変わらないものの、粗利が伸び悩みをみせるという懸念材料も出始めている。

 業界構造の変化も見逃せない。営業所数の減少は続いているものの、勢いはやや落ち着きつつある。一方、大型ホールへの集約化は進んでおり、1店舗当たりの設置台数は過去最高を更新している。新台価格の上昇に加え、光熱費や人件費の負担も重く、中小ホールは設備投資の余力を失いやすい。結果として、大手は店舗数を絞りながらも売上を伸ばし、中小は閉店、事業譲渡、居抜き出店など再編の波にさらされるという二極化が進んだ。一部の店舗では、事業の多角化(飲食・サウナ・クレーンゲーム専門店)に活路を求める動きも見られた。倒産の増加というより、M&Aを含む再編が進み、さらに大手企業の中でも収益機会を探る試行錯誤が続いている。

 今後のホール経営に求められるのは、少数のコアユーザーに頼った経営からの脱却であろう。多様なゲーム性、短時間遊技ニーズ等にも応える幅広い機種構成や、スマスロ頼みの収益構造からの転換に加え、キャッシュレス化、会員アプリ、データ分析による台配置最適化などDXの推進も迫られる。その上で、地域イベントとの連携や高齢者層を含む常連客との関係強化を進め、「地域のエンタメ拠点」として再定義できるかに期待したい。