【球面体ノート43】釣りとパチンコの、意外な関係
- 2023.05.09
- レトロパチンコ文化考察 球面体ノート
残念ながらここ20年ほどはパチンコが「圏外」になってしまっている感が拭えない、人々のレジャーにおける「ブーム」。
現在でしたらサウナやキャンプなどが思い浮かびますが、今から60年近く前の1965年頃「釣り堀ブーム」というのがあったそうです。
その様子を取り上げた記事によれば、都内に室内タイプが300軒、屋外タイプが150軒ほどあり、当時のパチンコ店舗数に匹敵していたとあります。
しかしブームというだけあり、銀座のビル内で冷暖房完備の立派なものから急ごしらえの粗末なものまで混沌とした状況で、さらには警視庁が「一部の釣り堀で賭博まがいの行為が行われているらしい」と警戒するほどの加熱ぶりだったそう。
こうしたブームはパチンコホールにも影響を与えており、新宿や池袋で「スマートボールコーナーが釣り堀になった」とか「違うフロアが釣り堀としてオープンした」など、当時の業界誌にもいくつか紹介されていました。
参考までに新宿の釣り堀では大体午前10時〜深夜2時、あるいは4時頃まで営業しているところが多かったそうで、先ほどの警視庁の警戒にもうなずけます。
ちなみに当時の釣り堀は、1時間100〜180円程度(レンタルの竿代やえさ代は別)で釣り放題&持ち帰り自由が普通。中には釣った魚を料理してくれるところもあったとか。
当時の写真をいくつか見てみると、パチンコホールでも釣り堀が人気だったことが分かりますが、不思議なのは当時の台といえば木枠とベニヤ板が主な材料でできており、湿気に弱かったはず。
昭和の頃によく聞いた「パチンコ必勝法」の一つにも、「雨の日にはベニヤ板が歪んでよく入ることがある」といった項目があったのを思い出します。ということは、近くに釣り堀など設置したら大変なことになってしまうのでは……?
と、思ったものの、よく考えると店内に手洗い場や噴水、熱帯魚の泳ぐ水槽等を置いている店もありましたので、何らかの対策は施されていたのかもしれませんね。
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