2024年のパチンコ・パチスロ参加人口690万人(+30万人) 市場規模16兆2,000億円(+5,000億円)
- 2025.11.11
- パチンコ・エンタメニュース

2024年における余暇市場のさまざまな統計データをまとめた「レジャー白書2025」(公益財団法人日本生産性本部余暇創研発行)がこのほど発表された。娯楽部門に属す「パチンコ」は参加人口が前年比30万人増加して690万人となり、市場規模(貸玉料・貸メダル料)も前年より5,000億円増加して16兆2,000億円となった。
約3,000万人の参加人口があった昭和から平成の初め頃にかけたピーク時と比べると2017年には1/3以下にまで落ち込んだものの、2018年にそれまでのパチンコへの参加減少に歯止めが掛かったが、2019年、2020年と連続して減少、2021年は720万人と前年から10万人増加、2022年はさらに50万人増加して770万人となったものの、2023年は110万人減少して660万人となり、ピーク時からは約1/4.5となったが、2024年は30万人増加して690万人となった。
参加率は前年比3.0%増加して7.1%となり、1年間におけるパチンコの平均活動回数は前年から0.2回減少して31.0回となった。年間平均費用も8万9,900円と前年より1万9,100円減少した。1回当たりの平均費用も2,900円で590円減少となったが、パチンコを今後やってみたい、継続したいという人の比率を表す参加希望率は5.4%で前年より0.2%増加した。
2024年の市場規模は前年より5,000億円増加して16兆2,000億円。2012年に増加に転じたものの2013年以降7年連続して下落が続いていたが、2020年から2022年まで横這いとなり、2023年に増加に転じ、2024年も増加した。
2024年は、2022年2023年同様に様々な業種でそれまでのコロナ禍による急激な落ち込みから大きく回復に向い、参加人口、市場規模、参加率が増加した。一方、前年より減少したのは、年間平均活動回数、年間平均費用、1回当たり平均費用。ホール数の減少は依然として続いている厳しい現状には変わりないが、新しいスマート遊技機への注目度が高まってきている現状でもある。
白書では、パチンコ・パチスロ産業の動向を以下のように分析している。
“地域のエンタメ拠点”としてホールの再生を目指すパチンコ業界
パチンコ・パチスロの売上は前年比で3.2%増加し、2年連続の増加となった。近年の傾向となっている、パチンコの減少とパチスロの増加の流れがさらに拡大したことが影響した。特にスマートパチスロ(スマスロ)人気が加速し、市場構造の変化が大きなトピックであった。4円パチンコは低迷し、粗利益の上昇がユーザー離れの要因になっている。スマスロは従来の6.5号機より出玉性能が高く、演出も豊富で、「革命機ヴァルヴレイヴ」「からくりサーカス」などが売上の中心機種になった。パチンコ・パチスロホールでは、パチンコ島を減らしてスロット島を増設するところも増えている。
ぱちんこ等営業の許可数(営業所数)は減少し続けているが、減少幅はやや落ち着いている。ぱちんこ遊技機設置店は減少し続けているが、回胴式遊技機(パチスロ機)等設置店は増加に転じている。設置台数でみても、ぱちんこ遊技機は昭和以来の200万台を割り込んだが、回胴式遊技機は8年ぶりに増加に転じている。1店舗当たりの備付台数が1,001台を超える店舗が増加し続けている。
パチンコ・パチスロホールの経営環境は相変わらず厳しい状況が続いており、特に経営を圧迫している遊技機価格は高止まりの状態が続いている。資本力に勝る大手企業による、スケールメリットを活かした大型店舗が増えているが、設備投資や新台導入のコストが負担できない小型店舗は淘汰が進み、大手と中小の二極化がさらに進んでいる。大手も店舗数を減らしているが、売上は増加している。しかし依然として売上はコロナ禍前まで戻っていない。営業の柱となる機種の登場、特にパチンコの回復が待たれる。
今後のホール経営について生き残りの鍵となるのは“地域密着型”や“差別化戦略”であろう。スマスロ特化型ホールの台頭や地域密着型ホールのリプランディング、デジタル化による業務効率化などである。スマスロの導入は若年層を惹きつけ、これに特化することで粗利益を改善することが期待できる。また、地域密着は、地元イベントとの連携などで地域住民との関係を強化し、地元の特に高齢者層を惹きつけ、常連客の定着率向上を図ることができる。デジタル化では、顧客データを活用したパーソナライズ広告を展開し、台の空き状況や遊技履歴をリアルタイムで確認できる機能を整備し、顧客を囲い込むことを目指す。さらにホールスタッフの業務管理や接客品質の向上も図ることができ、ホール経営においてもデジタル化は時代の流れとなっている。単に遊技場としての機能だけではなく、「地域のエンタメ拠点」としての役割を果たすことが必要となってきている。
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