【レトロパチンコ文化考察】第27回:時をかけるパチンコホール1972-2022 in アメ横<後編>

 前回と今回は「時をかけるパチンコホール」シリーズとして、今から50年前の1972年当時上野・アメ横周辺にあったホールの面影を訪ねています。

(前回の記事はコチラをご覧下さい)

 前回は、JR上野駅から「上野中通り(上中通り)」を御徒町方面に歩いていき、スマートボール専門店「たぬき」=現在の「ABCマート御徒町店」までやって来ました。そちらを右(線路と逆側)に曲がったすぐのところに元「モナコ」が見えて来ます。

(写真)元「モナコ」は2022年現在更地になっている

 50年前に「モナコ」というホールだったこの場所は、1970年代後半メダルゲーム専門店「百万弗」に代わり、その後パチンコ店への改装を経て現在は更地になっています。ちなみにモナコは301台の中型ホールだったようです。

(写真)元「モナコ」から池之端方面に少し行くと、元「スターホール」がある

 元「モナコ」を少し進むと、元「スターホール」だったゲームセンターが見えて来ます。1972年当時の「スターホール」の写真を探してみたところ、同年2月のものがありました。

(写真)1972年2月の「スターホール」外観

 こちらが50年前の「スターホール」外観です。左隣の眼鏡店は、現在も変わっていません。ちなみにホールの看板に「マンモスパチンコ スターホール」とあるものの、設置台数は290台でしたから実際の規模はそれほど大きくはなかったようです。このホールも、上野界隈に多かった「入り口を入ると階段で半地下と中二階に分かれる」構造をしていました。

(写真)1972年「スターホール」半地下部分。星印の島飾りが印象的だ

 こちらが「スターホール」半地下部分の様子。当時は手打ち機でまだ椅子席は少なく、ほとんどのホールが立って打つスタイルでした。

 さて、再び上中通りに戻って御徒町方面に進んでいきます。

(写真)元「世界」。191台のやや小型ホールということ以外は不明

 ビルを3軒ほど過ぎて右に見えてくるリサイクルショップ。ここは元「世界」というホールでした。世界は191台でやや小型の店舗でしたが、当時の写真や詳しい様子などは分かりませんでした。

 元「世界」から1軒挟んだ御徒町寄りには、元「スター会館」があります。

(写真)2022年現在、元「スター会館」はドラッグストアになっている

 現在大手ドラッグストアチェーンになっているこの場所にあった「スター会館」は、310台の中型ホールでした。50年前の写真は見つからなかったので、今から約40年前、1983年のにぎわう周辺写真を掲載しておきます。

(写真)1983年、改装した「スター会館(左手前から2軒目)」周辺(一部加工)

 こちらは1983年、改装した「スター会館(左に見える)」周辺のにぎわい。スポーツショップやカフェなど混沌とした通りに沢山の人が訪れています。

 そろそろ御徒町に近づき、残る元ホールは1軒になりました。

(写真)2022年、御徒町近くの元スマートボール専門店「みなと」

 こちらの解体中のうなぎ店は、50年前「みなと」というスマートボール30台の専門店でした。前回の「ローズマリー」「たぬき」と合わせ、50年前上野〜御徒町の間には小さなスマートボール屋さんが3軒あったことになります。

 1972年。雑多でにぎやかなアメ横界隈には、小型〜中型のパチンコホールや小ぢんまりしたスマートボール専門店などが営業しており、地元だけでなく観光に来たお客さん達も楽しませていたのでしょう。そんな情景に思いを馳せながら、また他の繁華街についてもレトロな旅に出かけたいと思っています。

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