【球面体ノート16】*ゼロタイガー40年*羽根モノのカタログを見ながらダラダラ話そう<4>

(写真)竹屋の『マーくん2号』と『タンクⅢ』カタログ

 『ゼロタイガー』誕生40年を記念して、このコーナーでも羽根モノの様々なネタを掲載していますが、今回は「どマイナー羽根モノのカタログ」を引っ張り出し、愛でてみたいと思います。

 どマイナー、といっても定義は様々かと思うものの、とりあえずはやはり設置台数も知名度も低そうだった機種ということで、竹屋からいきましょう(笑)。そもそも、竹屋から羽根モノが出ていたこと自体ご存じない方もいらっしゃるかもしれません。

 上の写真左『マーくん2号』はアメフトがテーマの羽根モノで、盤面は選手の写真がコラージュされた躍動感溢れる物となっています(写真下)。

(写真)『マーくん2号』盤面

 しかし、役物部分にちょっと違和感を覚えてよく見ると、上方にサッカーボールが描かれVゾーン下には「SOCCER」の文字。つまり、サッカーがテーマだった前機種からの使い回しであることが分かります。

 さらに「使い回し」という意味では一番最初の写真右『スーパータンクⅢ』の役物の動きも、基本は『マーくん2号』とそっくり。さらにさらに、新要件で15R継続になってから登場した『アパッチ』という羽根モノでも『スーパータンクⅢ』の使い回しが続いていました。

(写真)竹屋の新要件最初の羽根モノ『アパッチ』カタログと盤面

 といっても、それだけ使い回されたのには理由があるハズで、個人的な見解としては「カッコいいから」だったというのもあると思います。上は『アパッチ』カタログと盤面写真ですが、大当り中にはヘリによる貯留アクションも加わっていてかなり面白く、設置が進んでいたら人気機種になっていたに違いありません。

(写真)豊丸『ゴルフ』と賞球違いの『スーパーゴルフ』カタログ

 ……と、竹屋だけで熱く語ってしまいました。次は豊丸の羽根モノです。今でこそ羽根モノを出していたことに驚く方もいるかもしれませんが、90年代中頃ぐらいまでけっこう健闘していたイメージがあります。

 上の『ゴルフ』シリーズも「どマイナーではない!」とお叱りを受けるかもしれません。といってもやはり他メーカーから比べるとマイナーな存在で、奥から手前に向かって玉をパターで打つ動きもけっこうクセが強かったイメージがあります。

 ちなみにカタログは、おじさん風味ではなく80年代辺りに流行っていたポップアート風に仕上げてはあるものの、特に左などは「こわもて」寄りになってしまったようにも思われます。

(写真)旧要件『ピラミッド』と新要件『きまぐれピラミッド』カタログ

 そして豊丸の羽根モノで個人的に好きだったのが『ピラミッド』シリーズです。何と言っても貯留方法が変わっており、通常時役物内に鎮座しているピラミッドがするするとへこみ玉を貯め、また盛り上がって一気に解除。手前のVになだれ込むのが壮快でした。

(写真)『ピラミッド』役物アクション説明より

 ところが、Vゾーン手前には左右に動くスフィンクスがいて邪魔することも。そこで新要件の『きまぐれピラミッド』では穴の空いた「アラブ君」に代わり、玉がVに飛び込みやすくなっていました。

 こんなに楽しい仕掛けがほどこされていたものの、特に関東方面ではほとんど見ることもなく「どマイナー」になってしまったのが残念です。

 さて、最後に取り上げるのはニューギンの『黄門さんED』カタログ。水戸黄門関連パチンコといえば『黄門ちゃま』を筆頭に、ドラマタイアップの台などいくつか挙げられますが、この羽根モノシリーズはなかなか出てこないマイナー機ではないでしょうか。

 『黄門さん』には継続ラウンド数違いの2スペックと電役やラウンド振り分けを搭載した『ED』があり、おそらくゲーム性荒めの後者がメインだったと思われます。この機種が登場した90年代半ばは『たぬ吉君2』や『ゴリコップ』など羽根モノなのか権利物なのか分からないような台も増えていた時代。

 そんな中、黄門ブームにも乗って……という狙いだったのかもしれませんが、並みいるライバル機には勝てなかったようです。

 ということでまだまだ「どマイナー機」はありますが、また機会があれば第二弾でお会いしましょう。