【球面体ノート39】気になるパチンコ広告2:新機種は、男と女のウォーターフロント。

(写真)1989年に藤商事が掲出した業界向け広告

 ウォーターフロントとは、1980年代頃からポートアイランドやみなとみらい、お台場などの湾岸方面開発に関して流行した言葉です。

 どこかオシャレな響きも感じるこの言葉、今回1989年のパチンコ関連広告においてもシッカリと使われていたのを見つけてしまいました。

 写真は1989年藤商事の新機種広告で、こんなコピーが添えられています。

「新機種は、男と女のウォーターフロント。」

 ……正直、まず思ったのは「意味が解らないな」でした(笑)。無理矢理こじつければ、男女の仲も新機種によってウォーターフロントのように……いやいや、やっぱりワケが解りません。

 もしかしたら、新機種のラインナップにヒントがあるかも? と思い、盤面を見てみました。上から

『ニューグラフィックマジコンIII』(雀球)

『アストロマジコンVI』(雀球)

『パワーゲートI』(権利タイプ?)

『スリングショット』(一発台)

となっていますが、いずれもウォーターフロントとは関係がなさそう……?

 そこで目を移したのは、右上に添えられた男女が歩くイラストです。ダンスホールにでも出かけるかのようなオシャレな二人ですが、足元を見ると水浸し……? ウォーター? ますます意味が解りません(笑)。

 こんな感じで色々な角度から意味を探ってみたのですが、どうも「ウォーターフロント」という言葉ありきで作られた広告ではないか、という可能性が高まってきました。

 やはり当時はまだタイアップもなく、広告を出すにしてもテーマが絞りにくい可能性が高そうですから、その時代の流行語に無理矢理当てはめてしまう、というパターンもアリだったのかもしれません。

 そんな風に考えながら改めて眺めてみると、それこそ当時の時代背景が映し出される気がして、けっこう面白いものだな……なんて思いました。