【球面体ノート】淋しい夜に、一筋の明かりを

 夕暮れ時の、渋谷駅近く。この写真は2021年3月11日、東日本大震災から10年後となる日の午後6時頃に撮影しました。

 普通ならば、ネオン看板が点灯して電光掲示板にメッセージが表示されているはずなのですが、被災地そして被害者の方々へ哀悼の意を表するため、このホール(チェーン企業全体)では必要な照明を除いて終日消灯をしていました。

 実はこうした動きは2012年3月11日から全国のホールで始まり、都内では組合単位で2016年頃まで行っていました。そして近年は各企業で判断、という状況となっています。

 さらに現在、都内では新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発出されており、パチンコホールでは午後8時以降のネオン消灯を行い暗くなってしまいますので、実はずーっと淋しい夜が続いているのでした。

 コロナ変異株が増えている昨今、緊急事態宣言がどうなるのか予測がつかないため、パチンコホールの淋しい夜もいつ終わるのかまだ分かりません。しかしそんな不安な中、ある古い写真を見つけて少しホッとした気持になりました。

 その写真とは……

 今から約45年前の、渋谷駅近く。上の写真と大体同じ方向から撮影したものです。

 パチンコホールはここ15年ほどの間に約半数まで減り続け、その後にはドラッグストアやホテルなど別の業種が入ることが多いのですが、写真の場所には今もホールがある。そのことを改めて思い出し、何だか嬉しかったのです。

 もし皆さんの近くで昔から同じ場所にパチンコホールがあったら、厳しい状況の中ずーっと地元に息づいている場所の一つとして、改めてその存在を意識して頂きたいな、と思います。そして私たちはそういった場所を、引き続き応援していきたいと思っています。(神保)