西陣が廃業を発表

 2023年3月1日、パチンコ・パチスロメーカーの西陣が同社公式サイトにて、廃業することを発表した。

 リリースによれば、コロナ禍や業界の規模縮小など厳しい中事業継続について検討を続けたものの、残念ながら廃業という方法を選んだという。

 西陣は1951年、創業者である清水一二氏が友人の井置光男氏とともに有限会社清水鋳工所を設立したのがはじまりで、盤面に桐生織物の西陣織を貼付けた『丸帯パチンコ』を発表。これが後の「西陣」という社名の由来となった。

 アイデアやネーミングに長けていた清水氏は、連発禁止で壊滅的だったパチンコ業界を初の役物搭載機『ジンミット』で救い、営業部隊を「西陣師団」として軍隊のような格好やニックネームで出社させるなど、マスコミに常に取り上げられる存在になっていたという。

 1960年に株式会社西陣を設立。同年末には製造部門として有限会社ソフィアを設立し、強固な二部門体制を築き上げた。

 また、1965年には清水氏率いる楽団(のちに『ワンツー清水と宇宙楽団』と命名)が結成され、自動車レースやソ連の宇宙飛行士来日時などにも演奏を行ったりレコードを発売してリサイタルを開催するほどの存在になった。

 パチンコ機では昭和から平成にかけ多くのコミカルな羽根モノが大人気を集めたのをはじめ、CR機の内規改正後第一弾『CR花満開』で一気にカード式の時代を定着させるなど、遊技業界への貢献は数知れない。

 廃業のニュースはwebニュース等でも大きく報じられ、惜しむ声や感謝の言葉が多数寄せられている。