【レトロパチンコ文化考察】第11回「時をかけるパチンコホール<4>」
- 2021.07.30
- レトロパチンコ文化考察
シリーズでお届けしている時かけホールの4店目は、JR新橋駅近くの高架下で長らく営業していた「一声ホール」です。写真はちょうど50年前の店舗になりますが、当時の資料によれば前年12月に火事で全焼してしまい、写真の一ヶ月ほど前にリニューアルオープンしたばかりだとか。
つまり、当時としては最先端のホールであったといえますが、このホールのウリは「ファッショナブルなヌードあんどん」。あんどんとは「島飾り」の通称で、店内の写真で説明しますと……
このように、島の端に設置された飾りのことを指します。写真パネルをよく見ると、木陰にたたずむ全裸の女性が。確かに、いやらしさよりもオシャレな雰囲気が感じられますね。
こちらは、違う島のあんどんを近くから撮ったものですが、裸体の女性と花束が芸術作品のように仕上げられています。パネルの周囲に飾られた造花やタイルで作られた土台など、当時見たら素敵だっただろうな……と思いますね。
こうした装飾や演出の他にも、当時都内でまだ少数だった「景品を手に取って見られるコーナー」を設けるなど、やはりメイン客となっていたサラリーマンの他、女性客へのアピールも狙っていたそうです。
一声ホールはその後も何度かリニューアルを行っていましたが、10年ほど前に閉店。現在はどうなっているかというと……
2021年、大体同じ角度から撮った写真です。高架下には居酒屋やコンビニが入り、コロナ禍で懸命に営業をしていました。新橋界隈にはサラリーマンで混雑していたホールが他にも沢山ありましたが、近年加速度的に閉店が続いており寂しい限り。ホール・メーカーともに営業方法の見直しが必要なのではないかと思わずにおれません。
※写真協力…(株)遊技ジャーナル社
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