【レトロパチンコ文化考察】第18回「年末年始のレトロな風景<3>」
- 2022.01.06
- レトロパチンコ文化考察
2021年末から2022年明けにかけ、パチンコに関するレトロな風景を特集しています。3回目は名古屋駅周辺へ目を移し、1967および68年のレトロな正月風景をいくつかご紹介したいと思います。
上の写真は1967(昭和42)年正月、名古屋駅近くで長い間営業していた「ニュージャパン」および、その奥にあった「マルケイ」の様子。大きく「賀正」という横断幕が貼られ、正月気分を盛り上げています。そして、ニュージャパンの一角に目を移すと…
晴れ着を着た女性が店から出てくるところが写真に収められており、新年の楽しげな様子が伝わってきますね。
…が、女性たちが出て来ているお店を良く見ると「トーキョーオリムピアゲーム」と書いてあり、当時ニュージャパンの向かって右端がオリンピアマシン専門店であったことが分かりました。
入り口にもっと近づくと右側に看板が置いてあり、大きめの文字で
「ラスベガスー東京経由 名古屋に登場!オリンピアゲーム機設置」
と書いてあります。オリンピアマシンといえば海外のスロットマシンを日本向けに改良して出来たものなので、ラスベガスからダイレクトに来たかのような書き方は誇張表現と思われますが、それでも写真を見る限り、当時はまだ外に溢れ出んばかりの大盛況であったことが分かります。
さて、ここからは一年後の1968(昭和43)年の風景を見てみましょう。先ほどニュージャパンの奥にあった「マルケイ」というチェーン。こちらはもっと栄寄りにあったお店の正月風景です。入り口には「謹賀新年」の大きな看板が掲示され、大変きらびやか。
お店のサイドには干支である猿のイラストも大きく掲示され、レトロな文字とともに今風に表現すると「エモい」雰囲気がたっぷりです。
今はお正月など大型連休であってもパチンコホールが満員になることはほとんどありませんが、昔はまさに「書き入れ時」。正月にはどのホールもこれでもかと派手な装飾に力を入れており、それが当り前だったのです。
こちらは名古屋駅近くで今も営業を続ける「琥珀」の店頭ですが、人の背丈よりも遥かに高い門松を置き、正月を祝っています。すぐそばの提灯には「雀球 スマートボール」と書かれているのが見え、当時の人気ジャンルであったことも伺えます。
最後は、こちらも名古屋駅近くにあった「モナコセンター」というホールの店頭写真。
「明けましておめでとうございます 昭和43年 元旦」
といった挨拶の手前には、立派な生け花や鏡餅があしらわれており、風流な趣で正月を祝っていました。多くの人々が一攫千金を求めて殺到する季節、こういうのもホッとしていいですね。
※写真協力…(株)遊技ジャーナル社
※写真や文章の無断転載を禁止します
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