【レトロぱちんこ文化考察】第7回「オトナの女性専用ホール」

 前回このコンテンツでは、女性専用ホールやコーナーについて簡単に歴史を追ってみました。その後、1990年代に誕生したちょっと印象的な女性専用ホールを発見しましたので、今回はそちらもご紹介しておきたいと思います。

 上の写真が、女性専用ホール「パーラー女性自身」。1992年山梨県に誕生しました。どこかで見たようなロゴマークが引っかかりつつも、中に入ると……

 女性のお客さんたちがパチンコを楽しんでいます。しかしいずれもちょっと艶っぽいというか妖しい雰囲気を漂わせている……? と、このホールがあるのは温泉街というシチュエーションゆえ、お客さんのほとんどが芸者さんだったそうなのです。

 さらに気になったのは、先ほどのお店の写真に付けられている「映画」の文字です。正面から見ると、映画館らしき建物が見受けられません。そうした謎を感じつつ写真を見ていると、お店からかなり手前に設けられたアーチを見つけました。

 看板には左上から「パチンコ アンネ 映画 パーラー 女性自身」の文字。なぜか唐突に、中央に

アンネ

という文字が出現し、さらに戸惑いが起こります。アンネといったら「日記」か、はたまた「女性のアレ(現在は死語?)」か。益々謎が深まりましたが、脇に添えられた他の看板を見て解決しました。

映画のアンネ

パチンコの女性自身

なるほど、映画館の屋号だったのですね。納得しつつも、次に疑問なのはやはり映画館の場所です。さらに写真を見て行くと……。

「テアトル アンネ」ありました。ちょうどパチンコホールの真後ろにあたる場所で、しっかりと営業していました。

 ところが、上映作品は18禁などセクシーなものである上、左隣には「大人のおもちゃ」の文字が!? ここはどういうお客さんが来るのでしょうか? パチンコを打った女性客? それともホールに入れない彼女らのパートナー?

 そういえば「女性自身」という言葉自体がセクシーな隠語という説もありますが、いずれにしろこのエリアがかなりオトナの女性をターゲットにしていたことは、間違いなさそうです。

 後日談としては、結局このホールも芸者さんたちが夕方以降など仕事に行ってしまうため、長続きはせずに廃墟となってしまいました。一方映画館の方はストリートビューで確認した限り、屋号が変わりつつも営業している様子。

 日本全国、色々な場所に色々なホールがあるものだ……。改めて感心するような女性専用ホールのお話でした。

※写真協力…(株)遊技ジャーナル社

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