【ソボクな疑問】第1回:リーチに名前が付いたのはいつ?
- 2020.08.03
- ソボクな疑問
パチンコ・パチスロにまつわる素朴なギモンを様々な角度から解決する「ソボクな疑問」第1回目は、今や当たり前すぎて気にしなくなってしまった「リーチの名前」誕生にまつわるエピソードです。
▲▽リーチの始まりは1987年▲▽
液晶などで数字がぐるぐる回転し、揃えば大当りというゲーム性の「デジパチ」が誕生したのは1980年。その頃の表示には「ドラム」や「7セグ」が用いられ、スタート入賞口に玉が入ると「トン、トン、トン」といったタイミングでいきなり数字などが揃うのが当たり前でした。
そんな中、2つが揃ってから残りの動きがゆっくりになって「あと1つ揃えば大当りだよ~」と教えてくれる動きを初めて搭載したのが、1987年にマルホンから登場した『スリープP-3』。
▲▽スーパーリーチ登場でさらに奥深く▲▽
それ以降、リーチアクションはほとんどのデジパチに搭載されていきますが、もう一歩進んで「信頼度」という部分に注目する動きが生まれて来ます。リーチなんだけど、当る可能性がさらに高めだよ……という差別化として、1992年に京楽の『ニュートランプカード2』でお目見えしたのが、リーチのスピードがさらに遅くなって焦らす「スーパーリーチ」でした。
そのような流れでリーチとスーパーリーチが打ち手を盛り上げていく中、スーパーに複数のパターンが出て来たり、より演出を盛り上げようとする動きが続々誕生。1990年代中盤には複数のリーチパターンを搭載している機種が大多数となっていきます。
▲▽あのメーカーから「リーチの名前」が誕生!▲▽
そして1996年豊丸から登場した『デジパチ甲子園』という機種で、ついに画期的な試みが登場しました。出現すればほぼ100%大当りになる「全回転リーチ」に、同社自らが「青春の輝きリーチ」という名称を付けたのです。実はそれまで、リーチアクションが複数パターンあってもメーカー独自の名前を付けている機種はありませんでした。
しかし、当時既に多数発行されていたパチンコ雑誌などでは名前がないとリーチ紹介に区別がつけ辛い。そこで、『デジパチ甲子園』以前は各雑誌が勝手に(独自に)呼称を付けて掲載していたのです。
中には、機種(リーチ)自体の人気が高かったため雑誌独自の名前が一般化してしまった「深海竜巻リーチ」(1995年、SANKYOの『フィーバーネプチューン』の全回転パターン)といったものもあり、打ち手の関心の高さが分かります。
▲▽「青春の輝きリーチ」誕生のきっかけはあの機種!▲▽
ちなみに、豊丸に「青春の輝きリーチ」について尋ねたところ、誕生のきっかは同社初の液晶機『ピカイチ天国1』に搭載された「運の強さメーター」という仕掛けだったそう。画面上部についたメーターによってリーチの信頼度が表示されるというものでしたが、好評だったことを受け、当時の開発リーダーが「リーチにも名前を付けてみよう!」というノリで誕生したとのことです。
同社は以前より変わったことを試してみるという社風が強く、やはり当時リーチに名前を付けるのは「異端」かつ勇気が必要なことだったようですね。
▲▽現在におけるネーミングのプロセスは?▲▽
時は流れて現在、パチンコには数えきれない演出が搭載されていますが、リーチ含めそうしたものの名前を決めるにあたってはどんなプロセスが踏まれているのでしょうか? 最後に豊丸に尋ねてみました。
「弊社において現在、演出のネーミングはほぼプロジェクトチーム内で決めていおり、社内公募などはしていません。プロジェクトごとにその内部で募集していたり、リーダーが独断でというパターンだったりと、まちまちです」
パチンコに欠かせない「リーチアクション」。そのネーミングのきっかけや歴史には、意外な流れがあったのですね。
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