【球面体ノート22】*パチスロ特集*時代を映す、パチスロの広告<3>
- 2021.11.08
- 球面体ノート
何度か書いている通り、パチスロの前身であるオリンピアマシンが登場したのが1964年。その後、パチンコと同サイズになってゲーム性も確立し、法律上「回胴式遊技機」と定められたのが1985年のことでした。
初期の頃のパチスロに関する業界向け広告を見てみると、やはり男性が圧倒的に多いとあってか、いわゆる「エロ系広告」が多く登場していたことが分かります。上の広告は1983年、いわゆる「0号機(このサイトでは、1980年〜1984年辺りに登場した、パチンコと同サイズのスロットと定義しています)」に区分されている『バイキング』という機種の広告ですが、上半身裸の外国人女性が扇情的な雰囲気を漂わせながらこちらを向いている写真が使われています(※一部修正しています)。
バイキングの広告はかなり初期のエロ系広告であったようで、そうした存在は多くのメーカーに影響を与えていたのかもしれません。印象深いものをいくつか探してみたところ、サミーの2号機『APEX301』の広告の“変化”が気になりました。
上の写真は1988年はじめに登場したこの機種の広告2パターンで、最初左側のように「うっすら濡れたTシャツを着た女性の上半身のみ」だったのですが、同年11月頃の広告では右のように「びっしょりと濡らしてスケスケになったTシャツを着た外国人女性が、こちらを見ている」ものに差し替えられていたのです。よく見ると、わざわざ機種のロゴプリント位置も、下の方へずらされていますね(笑)。
これは、どう考えても「より扇情的なものに替えた」ということになり、やはり男性向けにエロ度の高いものが求められていたのでは、と思われます。
一方、同時期にはこんな“明るいエロ”とでもいうべき広告もありました。1988年、バルテックの2号機『ジャンプ』の広告ではその名のごとく手を広げて大きくジャンプをしている女性の写真が使われており、やや下のアングルから、いわゆる「パンチラ」状態になっています。
しかし、この女性の格好はテニスか何かのスポーツウェアにも思え、スポーツなのだからパンチラではないのだ、という主張も感じられるのが何とも微妙なところ。
ということで、こちらは“グレー判定”ということにさせて頂きます(笑)が、次はまたクロといいましょうか、バッチリしたものを見つけてしまいました。
ご存知ニイガタ電子の2号機『アラジン』の広告です。遠い異国の? 砂漠の斜面に、なぜか古代アラビアを思わせるようなコスチュームの女性二人が横たわっています。
彼女らは上半身に何も着けておらず、いったい何をしているのかよく分からないものの、『アラジン』のイメージ広告として人目(主に男性)を引くことに成功していると思われます(※一部修正しています)。というか、見ていると特に違和感なく溶け込んでいるようにも感じられて来ますので、不思議なものです。
さて、ここまで80年代のパチスロ広告をいくつか見てきましたが、90年代以降こうしたエロ系広告は激減しています。色々と探してみたところ、写真の『スーパーヘビーメタル』辺りがややセクシーではあるものの、機種のモチーフやタイアップを強調していたり流行のパロディなどが増えて来て、もはや直接的なエロは「古い」表現となってしまっているようでした。時代的にも、女性蔑視や性的な問題への考慮なども、もちろんあったかもしれません。
そして近年はアニメとのタイアップなどが普通になったせいか、いわゆる「萌え」におけるセクシーな表現が出てくるなど新しい時代へ完全に移っているといえるでしょう。こうした広告にも、確実に時代は反映されているのですね。
-
前の記事
【球面体ノート21】*パチスロ特集*「イケナいパチスロ販促品<2>」 2021.10.15
-
次の記事
【ソボクな疑問】第3回:「パチンコの日」は、なぜ11月14日なの? 2021.11.14