【レトロパチンコ文化考察】第37回「毎年8月8日に行われていた“パチパチ供養”と、驚きの記念品」

(写真)金色に塗装されたパチンコ台を、多数の僧侶が供養している

 今から30年前の平成7(1995)年8月8日、平和が突如「パチンコ供養」という儀式めいたイベントを始めました。

 当時の資料によると、コンセプトは「全国のファンを大いに楽しませ、大衆娯楽として広く社会に親しまれているパチンコに感謝する」というもので、稼働が済んだ台を金色に塗装し、寺院にて供養を行うことにしたそうです。

 以降、毎年8月8日に「パチンコ供養儀式」として開催されるようになり、その語呂合わせから「パチパチ供養」と呼ばれるようになりました(恐らく平和側も、語呂が良いのでこの日にしていたと思われます)。

(写真)2001年のパチンコ供養にて。当時は外国人観光客はほぼいない

 当初は上野の寺院で関係者のみがひっそりと行っていたのですが、途中からメディアを呼ぶようになり、2001年の7回目には浅草の浅草寺で割と大掛かりな供養を行っただけでなく、参列者に特別な記念品も配布されました。

 その驚きの記念品が今でも残っているので、今回紹介したいと思います。

 こちらがその記念品で、平たい箱を開けるとビニールに包まれた扇子と布のようなものが見えます。

 取り出してみると、相撲の番付のような文字が見えますね。まずは、布の方から開いてみますと……

 出たーー! 平和の歴代機種の番付手ぬぐいです。これはすごい。大きさもけっこうあるので、写真を撮るのもサイズを調整するのも大変でした(汗)。

 この手ぬぐいは2001年時点のものですから、タイアップもまだほとんどなく機種も少し古いのですが、やはり歴史あるメーカーだけあって多くのファンを熱狂させた名機がずらっと並んでいますね。

 さらに、扇子の方を開いてみると……番付の機種がびっしりとプリントされています! ある意味“狂気”すら感じるデザインですが、優雅に思い出に浸りたい時にはビッタリのアイテムかも…?

 こんな素晴らしい記念品まで配布された「パチパチ供養」。今ではさらに伝統ある儀式になっている……かと思いきや、平和はこの後10回目で「区切りがついた」と終了してしまいました。

 そんなこんなで「多くのファンを楽しませてくれた台を供養する」、という発想から生まれた日本らしいトラディショナル感溢れるイベントも、今や“伝説”に。せっかくなので、パチンコがピンチを迎えているような今こそ一般マスコミなども呼んで、盛大に開催してみてもいいんじゃないかな? と思いました。